キャリアの隠れ家
第14回 「矢沢永吉ファンの隠れ家」ダイヤモンドムーン
矢沢永吉のファンなら、一度は行ってみたい場所がある。公式ショップといわれる「ダイヤモンドムーン」だ。
5月の連休を使って、行ってみた。地下鉄青山一丁目駅から歩いて5分ほど、華やかな赤坂の裏通り、大使館や瀟洒なマンションが並ぶ山の手のディープな住宅地を、おのぼりさんよろしくドキドキ、キョロキョロしながら、やっと、たどり着いた。
矢沢永吉の事務所や録音スタジオなどが入っているビルの正面玄関の脇、細長く続くアプローチを吸い込まれるように進み、重い扉を開けると、ホームページでも見慣れた、その世界が広がった。「ここは、矢沢永吉ファンの隠れ家です」と挨拶文が掲げられていた。
そうか、「隠れ家」か…
1階は、バーとカフェスペースで、2階には、「E・YAZAWA」ブランドのグッズやDVD、そして、なによりもコンサートに欠かせないタオルがフルラインでおいてある。
たまたま、バーに、キャロルの歌の世界から抜け出てきたような、ポニーテールの女性が、「ウイスキーコーク」(多分…)を飲んでいた。正面から見たわけではないが、「ハニーエンジェル」(もちろん!)に違いない。
気のせいか、最近、ポニーテールの若い女性がふえたようにも思うけど、と、バーのスタッフと軽口をたたいていたら、「シュシュ」という髪留めが流行っているので、そのせいかもしれませんね、とのこと。矢沢グッズにもあるらしい。
30年ほど前だったか。コピーライターの糸井重里がインタビューした『成り上がり』を読んで、「矢沢」が記憶に残った。たまたま、生年月日がまったく一緒だったこともあり、親近感を抱いた。長野に帰郷して、車を運転するようになって聴くCDは、「矢沢」が多かった。特に、気の重い仕事に向かう時は、「矢沢」を聞きながら、アクセルを踏んだ。(スピード違反をしないように、気をつけながら…)。そして、昨年、「還暦ツアー」の松本のライブに行って、すっかりはまった。
矢沢語録で今、とても共感している言葉がある。「ずっと、現場で、バリバリ歌いますから、ヨロシク!」
平成22年5月