キャリアの隠れ家

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48回 長野門前「一箱古本市」は、本の存在感を改めて実感させてくれた。本好きの人たちの聖地、日本中に、広がっていけ!

今年の秋分の日、長野市の善光寺門前、東町にある「カネマツ」のイベントスペースで、「長野門前一箱古本市」が開かれた。今年、6月に開店した古書店「遊歴書房」の店主宮島さんが呼びかけた、いわば、本のフリーマーケットのようなイベントだ。

  「一箱古本市」は、2005年春、東京の下町、谷中、根津、千駄木周辺の商店主達が集まって開催された古本を利用した街づくりのイベントに、ルーツがあるそうだ。長野での当日は、東京での仕掛け人のお一人、南陀楼綾繁(なんだろう あやしげ)さんも、駆けつけられ、一箱店主のお一人として、さらに、古本市終了後は、ゲストスピーカーとして、1時間ほど、「一箱古本市」の謂われや全国各地で開かれている現状について、お話された。

  最初、宮島さんからお誘いいただいた時、一も二もなく参加したいとお答えしたのだが、その時は全く勘違いしていて、本を買う側のつもりであったのだ。それが、「一箱古本市」の「店主」として参加してほしい、ということだとわかった時は、ちょっと戸惑ったが、面白そうだと、すぐに、思いなおし、開催までの1か月ほどは、どんな本を持ち込もうか、楽しい時間となった。

  当日、会場に用意された、昔懐かしいリンゴ箱一箱を借りて、持ち込んだ本を並べる。宮島さんの趣旨に賛同した「店主」は、20名ほど。私は、40冊ほど持っていった。手元に、どうしても残しておきたい本は、もちろん除いたが、それでも、何冊か、別れ難い本も、混ぜた。宮島さんから、店名や本のディスプレイも、工夫してください、とのことで、苗字の「松」と「遊歴書房」の「遊」をお借りして、「松遊本舗」とした。東京丸の内の丸善の中にできている松岡正剛さんプロデュースの「松丸本舗」を洒落た。

    当日は、3連休の初日ということもあったのか、老若男女で、予想以上に、賑わった。フェイスブックで友人達にも案内したこともあり、わざわざ、10名ほどが、「松遊本舗」に立ち寄り、差し入れをいただいたり、売り上げにもご協力いただいた。結局、10冊ほど売れたのだが、他のお店においてある本を、10冊ほど買ってしまったので、持ち帰る本の量は、一緒だった。

  終了後の打ち上げは、本好きな皆さんとの、本談義が、楽しかった。最後は、宮島さんが、「来年も続けます」との宣言で、とても、心地よい一日が、終わった。感謝。

 平成23年9月26日